ばね指


ばね指とは?
ばね指とは、指を曲げたり伸ばそうとしたときに、弾くようなバネに似た動きをする状態を指します。
ばね指の根本原因は?
ばね指は腱鞘炎の一種です。したがって、炎症に関連した症状が出現します。仕事やプライベートで指や手首を使いすぎることで、指の付け根に痛みや腫れが生じ、熱感も出てきます。初期の症状は朝方に強く、日常動作を重ねることで徐々に症状が軽減していきます。靱帯性腱鞘の中には滑膜性腱鞘があり、滑液、いわば潤滑油が腱鞘内を流れています。夜間に指を動かしていないと、この潤滑油が流れず、朝方の動き始めに痛みが生じますが、徐々に動かすことで軽減が期待できます。 進行すると、滑膜腱鞘も圧迫され、滑液、いわゆる潤滑油が枯れていきます。すると、指の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなり、さらに締め付けが強くなると、腱鞘の前後で腱がこぶのように肥大し、それが腱を通る時にばね指の症状が現れ、指が引っかかるような動作をするようになります。
こんなお悩みはありませんか?
Q.どういう方がなりやすいですか?
A.パソコンやマウスの操作、スポーツ等で手首を使いすぎる方がなりやすいです。最近はスマートフォンの使いすぎでも起こる可能性があります。
Q.ばね指は自然に治るの?
A.初期症状であればセルフケアや過度の使いすぎを気をつければ治る事も多いです。ただ症状が強くなると自分だけでは治せなくなるのでその場合は治療が必要になります。
Q.ばね指は冷やした方が良いの?
A.ばね指は初期であれば炎症を抑えるために冷やした方が良いです。
冷やす際は指の付け根や手のひらの外側等の痛い所を冷やして下さい。
Q.ばね指が酷くなったら手術する必要あるのですか?
A.症状が酷くなると手術が必要なケースがありますが、基本的には手術しなくても早期治療で良くなります。
Q.ばね指は治療すればすぐ治るの?
A.症状が軽ければ症状がなくなる可能性もありますが、酷くなった場合は時間をかけて治す必要が出てきます。そうなる前に早めのご来院をお勧めします。
ばね指に対する当院の考え
ばね指は、手関節の手のひら側にある腱と腱鞘に生じる炎症により、手や指を動かす際に弾発現象が起こることが多いため、「ばね指」と呼ばれています。
成人の中年女性に多く見られ、特に更年期や周産期の女性に多く発生します。これは、ホルモンバランスの変化が一因と考えられています。
また、第1指に最も多く発生します。
初期には、指を動かした際の痛みのみが見られることが多く、指の第1関節や第2関節に痛みを感じることがあります。さらに、指を伸ばしたり曲げたりする動作の際に、屈筋腱が引っ掛かることで、ばねが押しつぶされて離れたときのような弾発現象が生じます。
ばね指はなぜ起こるのか?
1.更年期や周産期
まず、ばね指が発生しやすい方として、中年期の女性や周産期の女性に多く見られます。
中年期や周産期の女性は、ホルモンバランスが大きく変化します。
女性ホルモンの分泌バランスが変わることにより、腱や腱鞘が弱くなり、傷つきやすくなることで発症しやすくなります。
2.他の病気との併発
関節リウマチや糖尿病といった病気、または血行不良の症状がある方は、ばね指が起こりやすくなります。
このような症状がある場合、一度炎症が起こると重症化しやすい傾向があります。
第1指に多く見られますが、複数の指に発症することもあります。
ばね指を放っておくとどうなるのか?
ばね指を放置すると、手や指の疼痛が強くなり、運動制限が発生します。
指の運動制限が強くなった状態を強剛母指といい、可動域の制限が起こります。特に指を伸ばすことが難しくなります。
軽度の場合は、手や指の使用を控えるだけで、症状の軽減が期待できる場合もあります。
症状が重くなると、痛みが強くなったり、可動域の減少や制限が起き、手術を検討しなければならないこともあります。
また、指の動きがロックされて握ることが難しくなり、握力の低下が考えられます。指の運動ができなくなるため、筋力の低下が原因で慢性化し、指の変形が起きる可能性もあります。そのため、早めの施術や対策が必要となります。
ばね指に効果的な当院の施術メニューは?
この項では、ばね指に対する当院の効果が期待できる施術メニューを紹介します。
ばね指に関しては、基本的に指の可動域を良くし、痛みを軽減することを目的として施術を行います。
完璧に改善するためには、メスを用いた手術療法が必要となります。そこで、手術以外で痛みの軽減が期待できるメニューを紹介します。
一つ目は電気療法です。負担がかかり、痛みが出てしまった指の腱に電気を当て、除痛効果が期待でき、また筋肉に電気刺激を流すことにより、筋肉の活動を促します。
二つ目は「手の極み」というメニューです。ざっくり説明すると、指を動かす前腕の筋肉や手の筋肉を指圧で緩めたり、関節の調整を行い、クリームでドレナージュをすることにより血流を促進します。
その施術を受けるとどう楽になるの?
この項では、先程紹介した施術メニューを行うことにより、どのような効果が得られるのかを説明いたします。
まずは電気療法です。
電気療法では、痛みが出ている筋肉や腱、周囲の筋肉に対し電気刺激を流します。それにより神経が刺激され、除痛効果が期待できます。また、筋肉は神経を通じて電気刺激により働き、関節を動かします。ですので、電気を流すことにより筋活動を促し、固まってしまった筋肉をほぐし、可動域のアップが期待できます。
続いては手の極みです。
手の極みに関しては、指を曲げる前腕屈筋群、指を伸ばす前腕伸筋群に対しマッサージを行い、筋肉をほぐします。また、手関節や指の関節を調節することにより、痛みを軽減し、可動域のアップを目的とします。さらに、クリームを塗りドレナージュを行うことにより血流を良くします。血流が良いということは、筋肉が硬くなりにくくなり、可動域が増えることが期待できます。
ばね指を軽減するために必要な施術頻度は?
最後に、今説明した施術の適切な頻度について説明いたします。
痛みや可動域制限が強い初期症状のうちは、3日に1回、週2回程度施術を行うことが理想的です。施術後、筋肉がほぐれ、一時的に症状が軽減されますが、日常生活では腕や指を使わないことはほとんどありません。そうした中で、常に負担がかかる筋肉に対し施術を行い、筋肉の状態を軽減していくことにより、症状が少しずつ軽減されます。
期間の目安としては、症状によって異なりますが、痛みを少し減らす程度であれば、上記の頻度で2~3週間通うことで痛みの度合いは落ち着きます。ただし、より症状を軽減し、痛みのリスクを減らすためには、約3ヶ月間の施術が理想的です。身体の細胞は90日で生まれ変わると言われていますので、3ヶ月で筋肉の質を変え、症状の軽減を目指します。
ただし、あくまで目安となりますので、症状や痛みの強さに応じて、その方に合わせた適切な頻度や期間で施術を行う必要があります。